
易経入門
孔子がギリシア悲劇を読んだら
氷見野良三著
文春新書
を読んでいたら、中正の徳という易の言葉が出てきた。
中というは、善い意味の中庸のことであり、心に思う事、口に言う事、身に行う事が、行き過ぎもせず、控え目に過ぎもせず、謂わゆる過不及の無いことで、程善き節度に中る(あたる)こと
とある。正の徳とは、立場に応じた特性を持つことで、正より中が大事ともある。
代表と会を合併し、私が副代表になると決めてから、立場に見合う実力を身に付けられるよう焦りすぎ、自分自身を追い込み、苦しむことも多々あった。未熟とはいえ当会の武道が何を目指し何を体現しようとしているのか、その基本は言葉でも体でも示せるようにはなってきた。
立場が、逆に私自身を鼓舞し、強い動機付けになったとも言える。
当会の帯試験合格者全員が、帯に見合うよう、より精進しますと、それぞれ別のタイミングで話してくれた。代表が力を認めたからの帯授与だが、獲得してなお謙虚に、より深く学ぼうとするその誠実さに、感銘を受けた。
お金を払えばなんでも簡単に得られる世の中で、こんな真摯な思いを持った方々と共に武道を高められる、このご縁に感謝しかない。
珍しくコジャレたカフェで珍しげな外国の珈琲を飲みながらの読書。飲み干し際に練乳のごとき甘味が底に沈殿していることを舌で知り、中年には甘すぎる味覚に表情筋が反応する。
そういや店の若者が混ぜながら飲むよう説明していた。
人の話はちゃんと聞きなさい。
ごみんなさいm(_ _)m