2019年08月31日

昨日が寿命

レッスンで訪れるある高齢者施設に、色々話してくれる男性がいる。片足に少し不自由があり、日常の動きは時間がかかる。その、立ち上がることそのものに瞑想的精神の余白を感じさせてくれる極めてゆっくりとした動きが、大好きだ。

よく聞いていると、昨日が寿命だったと話してくれている。では今対面しているのは、何か特別に延長された生命なのだろうかと軽く興奮をおぼえる。スタッフさんが脇を抱えているから、よもや私だけに見える存在ではあるまい。ちゃんといらっしゃる。

高齢者の方々が見せてくれる、ある意味では老いの象徴が、人生の極意を表す教えにも受け取れる。何回会ってもはじめましてと挨拶してくれる方々は、過去にとらわれない今この瞬間の体現者だ。忘れてなお、同じことをお話になるのは、その方の人生に繰り返し思考されてきたことなんだろうと思うと、重みがある。

昨日が寿命。気鋭の作家の新作タイトルのごとき、斬新かつ意味深長な言葉だ。
posted by ゆりか at 22:21| Comment(0) | 日記
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