2022年03月30日

虚ろでいい

探している詩集があって立ち寄った古本屋で、オイゲン・ヘリゲルの日本の弓術を見つけた。代表の勧めで昔読み、武術や思想系の本に度々引用されているのを見かける。弓道部の姪に紹介しようと思い立ち、加えて解釈つきの方丈記(古典)、妹の方には吉野源三郎の君たちはどう生きるかをなぞらえて、今を生きる数人の作家が東日本大震災後に書いたもの(コロナ後に加筆あり)をまとめたものを。

三冊とも一通り目を通したあと、なぜこの本を勧めるか、長々と手紙を書いた。意図してはいなかったが、オイゲン・ヘリゲルによく描かれている「わからないものをわからないままにして静かに受け入れる」という静的な積極思想を三冊ともに感じた。

自然災害、コロナ、老いや死、事故やあらゆる予期せぬ出来事に対し、人間の知識は実に不十分。理論も理屈も通用しないものはまるごと受け入れる、またはスルーする、そんな心持ちも時には役に立つ。

姉夫婦譲りで学業優秀な姪姉妹に、学業に打ち込む環境を提供されている幸運への気付きの促しと励ましとともに、時には頭を空にすることや心の虚しさを大切にすることを手紙にしてみた。

読むも読まぬも自由。感想もお礼も要らぬと添えた。

ああー今日も虚ろでいい。
posted by ゆりか at 13:24| Comment(0) | 日記
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