2016年11月20日

道シリーズ25

道シリーズ25は「気分がいいほど力が抜ける」

力を抜くことは難しい。どうしたらより力が抜けるのか、私も何年も試行錯誤してきたし、今もそう。以前抜けなかったところが抜けたらまた別のとこ、この段階まで抜けたら次はまた深い段階で、と、一生続く道のりなのだ。

その方法は練精会の練習方法に全て集約されているので、やり続けるしかないのですが、経験上一つ言えるのは「抜こう抜こう」と頑張るほど、抜けないということ。思いつめるほど、抜けない。「くそ〜〜〜(>_<)」とか思い始めたら、ますます抜けない。

逆にいえば、気分のいい時ほど、力は抜ける。代表もよく「気持ちよ〜〜く動け〜〜」と言う。その通りなのだ。一人練習をとにかく気持ち良く繰り返す。対人でうまく行かなくて落ち込むことがあっても、いろんなことにメゲて嫌になったりふてくされても、でもいつもどこかで切り替えて気分よく気持ち良く一人練習を繰り返しているうちに、体質が変わる。もしくは私の場合は動き始めると、はじめたときに不機嫌でも気分自体がどんどん変わる。

いつも気分のいい人などいない。誰にでも浮き沈みはある。でもその中でさえ繰り返すこと。頑張りすぎたり、悔しくなったり、気分がよくなったりニヤニヤしながら、繰り返す。そしてある時、「ああ、こんなんでいいんだ・・」と思える。「超楽じゃん・・超気持ちいいじゃん・・・」と一人で、そして対人練習で思い始めたら次の段階へ進める。でもそうそううまくいくことばかりではなく、またらせん状に様々な試行錯誤の繰り返しが訪れるのですけどね。

一度でも心底気分よく楽に力が抜けて動けたら、またその力を相手に伝えることが強く実感出来たら、少し取り組み方が変わるはず。そこが体質の転換期でもある。

不思議なもんですね〜〜(^v^)
posted by ゆりか at 21:15| Comment(0) | 道シリーズ

2016年11月18日

道シリーズ24

道シリーズ24は「動きのリズムを身につける」

練精会には独特の動きのリズムがある。型にしろ、自由な動きにしろ、相手がいようといまいと存在する、ある特定のリズム。そのリズムは質として存在し、決まった形式であるわけではない。意識的に見ていればだんだんと感じられる。

このリズムは身体の力が抜けていくごとに身に付いていく。防御の動き、攻撃の動き、その連続、退く動き、接近する動き、崩しに入ってから実際重さが伝わるまでの長くないその時間帯の中にもリズムがある。力んで身体がバラバラなうちにはこの感じはつかめない。

先生もしかり、熱心に学んでいる会員さんの中にもこれを感じる瞬間がある。この流れに沿って攻撃をされると、反応がしづらいうえ、やられてるのに快いと言う不思議な気持ちになる。

このリズムをつかむためにはまず熱心に先生の動きを見ること。見えてくるまで、しみつくまで、見る。あとは力を抜く教え通りに練習を重ねる。

自分を空っぽにして、イメージしたものをそのまま真似する。自分のコップが詰まっていると、いろんなものが混ざって変質する。空っぽにする、空っぽだから何でも入るのだ。老子の思想かな、やはりとても大切だと思う。
posted by ゆりか at 12:19| Comment(0) | 道シリーズ

2016年11月16日

道シリーズ23

道シリーズの23弾は「距離を知る」。

空法、八卦、太極、形意のそれぞれの型には、距離による技の応用可能性が含まれている。その他の条件もあるが、相手との「距離」によって、身体のどの部位が触れられるのか、どんな技が使いやすいのかは変わって来る。

私が最初にこの「距離」について実感したのは散手の練習だった。いつも組み手で組ませてもらう時、距離をとって打撃をしてくる人は、散手をしても距離をとる傾向がわかったのだ。散手で距離をとるとは、こちらが接近して行った時にそれ以上に離れようとする、接近すると拒絶反応でより力みが強くなる、そして腕の接触点が手首より先端に移動すること。

足を止めた散手にも、そうした距離感覚の癖が出るものなのだと実感した瞬間だった。それを踏まえて、また自分ではその距離を細かく感じ取って、相手に合わせようとも試みた。相手が接近するなら同じだけ下がる、退くなら同じだけついていく。相手のすることを上回ってしまうと、届かなかったり、近すぎて当てづらかったり、自分がやりにくい間合いになってしまう。

手の甲や掌が当たる距離なのか、肘や膝が当たる距離なのか、密着して打撃を交えつつ投げ・崩しをする距離なのか、少し引き寄せればできるのか、少し退けばできるのか、それを自動的に身体が計測して今できるベストな技はなんなのか、判断し即実行できるようにする。

こういう距離についても、対人練習で養うべき大切な感覚。どんなに威力のある打撃ができても、かっこいい崩し技を知っていても、距離とタイミングが合わなければ実現しない。その効果を最大限に上げるための距離感覚を身につけることが必要になる。

posted by ゆりか at 23:36| Comment(0) | 道シリーズ

道シリーズ21

道シリーズ21弾は「絶対評価に切り替える」

道シリーズでは技術的な内容と精神的な内容の両方を書いています。私の経験上、ハンデを自覚して学び続ける中では精神的なゆらぎが起きることがある。ゆらぎ自体は悪いことではないが、どういう振り方でどこへ戻って来るか、なんとなくでも参考になる方がいれば受け取ってほしいなと思います。

ハンデを持つ=コンプレックスの自覚。コンプレックスは誰にもあり、武術の場合それがはっきりとした形で出てくることもあるので、乗り越えるモチベーションにもなるがメゲそうになることもある。コンプレックスは他者や、うまくいっていた過去の自分と「比較」することで起きる。「比較」は正しい認識のもとに行わなければ、単に自分を苦しめるだけのものになる。

今の自分以外の対象との比較をもとにした評価を相対評価、今の自分をある特定の基準で比較なしに評価するのを絶対評価とすると、できるだけ絶対評価を増やした方がいい。絶対評価ができるようになるためには、その評価基準を明確に持つこと。

練精会でいえば、力を抜くとか、重さを活用するとか、そういう身体感覚と、また技の理解や組み手での変化は先生が動画でいくつも示してくれるし、体験できる環境の人は経験をもとにそれに近づくべく練習を重ねる。その中で、より力が抜けてきた、より重さを自覚できてきた、思い描いている動きができた、変化できた、安全に受け身が取れた、安全に相手に触れることができ、変化できた、等など、誰と比較することもなくできる評価基準が明確にいくつもある。それを目指して変化する感覚や心身を敏感に感じ取り、それを稽古で検証し、その違いをよく理解すること。コンプレックスで心が曇っていると、その違いを感じ取ることができなくなる。心が曇ることがあっても、稽古から「感じ取ろうとする心」をなくしてはいけない。

それが絶対評価への道であり、そこから自然と自分を信頼する気持ち、自信が生まれていくと思うのだ。

ハンデを持ちつつ自信なんて絶対持てないと私も思っていた。今でも現実に、武術において現段階では思い通りにならない状況をはっきり自覚している。でも歩んできた道、その過程で気づいてきたことが自分自身を支えてくれるので、今の自分にあるものを見つめて自信を持って立っていられる。

相対評価から絶対評価への移行。武術は現実を眼前に付きつけられるからこそ、そこを乗り越えるチャンスにもなるんだな。


posted by ゆりか at 08:16| Comment(0) | 道シリーズ

2016年11月15日

道シリーズ20

道シリーズ20弾は「中心を緩める」

力を抜こうと試み続けて、徐々に身体のなかの一部、また一部と緩んでくるのを実感できるようになる。最初は脱力法の腕振りなどで腕の緩みや重みを実感することが多い。ただ身体の一部が抜けても、実際移動するとか、自由に動くとなると腕以外の部分が固まっているためやはり動きの不自由さを感じることになる。

それに一部が抜けている状態で人とふれあい、力を出したり技をかけたり受けたりすると、かえって身体が大きくぶれたり、ゆがんだり、伝わるべき力が詰まったりしやすいので、この過程にメゲることなく、丁寧に、根気よく経過しなくてはならない。

初めからは難しいのだけれど、腕が少し抜けてきたかなとか、脱力法で少しは重みを感じれるなと思い始めたら、すこしずつ「中心」を緩めることを試みていく。中心とは、骨盤、股関節、仙骨(腰椎含む)、下腹、太腿、このあたり一帯をいう。この辺の力み、固まり具合は強力なことが多いので、ゆっくり時間をかけて取り組む必要がある。まずは脱力法で、そして空法や基本功、各種套路など一人練習でそれを探る。徐々に対人でも以前よりは少しずつ、その辺が緩んでくると、大きな身体のブレや力のつまりが減っていく。

そして何より、中心が緩むと「移動」がスムーズになる。中心が固まっていると、間違いなく足も力んでいるので、歩法がうまくいかない。それでは考えなければ足が出ない、考えても思った通りに動けないのだ。中心がゆるみ、ゆらいでくると、必要な瞬間に必要な方向へ瞬時に身体が反応して動く、ということが起こって来る。地面を蹴る訳ではなく、滑るように移動できる。それの達成レベルの差は果てしなくあれど、これを少しずつ実感できるようになるといい方向へ向かっている証。

先ほどもワンコと散歩し、ワンコが草むらで縄張り活動にいそしんでいる間、腰を緩めてフヤフヤうようよと波にたゆたう海草のごとく動いていました。気持ちいいし、いつでも動けるアイドリング状態を感じるし、タマリマセン。

是非中心周りをゆるめることに取り組んでみて下さい。ただし無理に動かすのは厳禁。あくまでも自然に揺らぎをかんじるようになるまで「力を抜く」ことを忘れずに・・・

posted by ゆりか at 08:55| Comment(0) | 道シリーズ