道シリーズの14弾。
「合わせる」
『戦う』と聞くと、思い浮かぶのは相手を叩き伏せる、打ちのめすというイメージかもしれない。でもこのシリーズで対象としているのは、私も含めて肉体的に優位でない人たち。肉体的に優位でない人が危険から身を守るために必要なのは、相手を叩きのめす力ではなく、逃げのびる力。そのために大切なのは「合わせる」こと。
相手の動きに合わせて合わせて合わせていった結果、相手が自滅することがある。相手は自分のペースで動いている、優位に立っているつもりで、実は少しずつ崩されていく。本人も気がつかないほど、心身が微妙にバランスを欠いていく。そこに隙が生まれ、ハンデのある相手にコロッとやられてしまうこともある。
これは代表がもっとわかりやすくブログにも書いてくれていますね。これ、女性や小柄な人には特に必要なのです。
私自身そうだったんだけど、対立するより、合わせる方が気が楽じゃないでしょうか。と言っても実際「合わせる」って難しいんですけどね。でも気持ちが楽に練習を重ねていって、それが積み重なってある一定の質まで高まった時、それが組手なり対練で結果として見えてくる。
散手、推手、組手、各種対練はこうした「合わせる」ことも意識的に学んでいくようにしようー。
2016年11月08日
道シリーズ14
posted by ゆりか at 12:51| Comment(0)
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2016年11月07日
道シリーズ13
道シリーズ13弾です。
「相手と自分」
対練で組んだ相手、組み手で組んだ相手によって、自分の状態は影響を受けているとよく自覚することが大切。人にはそれぞれ習得段階があるし、癖もある。その一々を、今の自分に都合のよいように合わせてもらうことは不可能だ。巧い人ほど、相手を導く対練ができるものの、それだって相手がそれに導かれる状態になっていないとかみ合わない。
一人で練習している時と、人と組んだ時、この人と組んだ時とあの人と組んだ時、その違いをよく自覚していくと、それは相手の良しあしではなく、自分の癖として理解できる時が来る。ああ、こういう相手にはこうなってしまうんだ、こういう状況だとこうなってしまうんだ、と知ることが、自分の癖を改善する手掛かりにもなる。
自分と相手はそう別々のものでもなく、あい影響しあうもの。どちらか一方が正しいわけでも、悪いわけでもないと、いろんな方と組ませてもらい、練習を重ねてきて思う。
そういうことも武術の大切な学びだと思うのですな。
「相手と自分」
対練で組んだ相手、組み手で組んだ相手によって、自分の状態は影響を受けているとよく自覚することが大切。人にはそれぞれ習得段階があるし、癖もある。その一々を、今の自分に都合のよいように合わせてもらうことは不可能だ。巧い人ほど、相手を導く対練ができるものの、それだって相手がそれに導かれる状態になっていないとかみ合わない。
一人で練習している時と、人と組んだ時、この人と組んだ時とあの人と組んだ時、その違いをよく自覚していくと、それは相手の良しあしではなく、自分の癖として理解できる時が来る。ああ、こういう相手にはこうなってしまうんだ、こういう状況だとこうなってしまうんだ、と知ることが、自分の癖を改善する手掛かりにもなる。
自分と相手はそう別々のものでもなく、あい影響しあうもの。どちらか一方が正しいわけでも、悪いわけでもないと、いろんな方と組ませてもらい、練習を重ねてきて思う。
そういうことも武術の大切な学びだと思うのですな。
posted by ゆりか at 21:26| Comment(0)
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2016年11月05日
道シリーズ12
シリーズ12弾は「相手の万全を下げる」
組み手の練習で相手の良さ、強さをしっかり味わうことが大切だと、以前のシリーズの中で書きましたが、実際身を守る際に、相手の強みや万全さは、できるだけ下げる必要があります。それができるようになるためにも、逆に強い人の強さに日ごろから触れておく必要もあるのです。
例えば、体格差の大きい相手に、正面から立ち向かって力を受け止めるというのは、非常に無理がかかるし危険が大きい。練習でよく味わっておくとその危険度がわかります。私もたくさん経験させてもらっている。だからこそ、側面に回るとか、背面にまわるとか、力をまともに受けないとか、急所を狙うとか、そういう技術が必要なのもよくわかります。でもその技術を身につけるためには、やはりそういう大変な思いも、経験しなければならない。最初から位置取りを自在に操ったり、でかい人のプレッシャーをまともに受けないなんて不可能です。それはもうコツコツと練習が必要。
例えば離れたところから飛び込んで打撃が得意な人に、わざわざ距離をとっておけば相手は嬉々として得意な動きをするだろうし、投げが得意な人は接近してこようとする。それに対して一々相手がベストな状態に付き合っていては、身が持たないのだ。
組み手練習などで様々な困難を味わって、じゃあどうしたらその困難から逃げられるか、それを減らせるかと言うことを学んでいく。相手の得意を、万全な力をどう下げられるか、ということを大事にする。
飛び込んでくる人には出来るだけ密着していく(接近する過程で2,3手はちゃんと防御できた上で)、接近してくる人には打撃を交えてその万全さを低くする、そして立つ力を高めて投げられにくい、崩され難い身体を養う。頭を打たれて気を失うのと同様、固い床で投げられて頭を打ったりすれば叩かれるのと同様、またはそれ以上のダメージを負うことになるから、それを回避する練習としても、信用できる人同士の組み手では色々な状況を味わっておくことが大切。
組み手の練習で相手の良さ、強さをしっかり味わうことが大切だと、以前のシリーズの中で書きましたが、実際身を守る際に、相手の強みや万全さは、できるだけ下げる必要があります。それができるようになるためにも、逆に強い人の強さに日ごろから触れておく必要もあるのです。
例えば、体格差の大きい相手に、正面から立ち向かって力を受け止めるというのは、非常に無理がかかるし危険が大きい。練習でよく味わっておくとその危険度がわかります。私もたくさん経験させてもらっている。だからこそ、側面に回るとか、背面にまわるとか、力をまともに受けないとか、急所を狙うとか、そういう技術が必要なのもよくわかります。でもその技術を身につけるためには、やはりそういう大変な思いも、経験しなければならない。最初から位置取りを自在に操ったり、でかい人のプレッシャーをまともに受けないなんて不可能です。それはもうコツコツと練習が必要。
例えば離れたところから飛び込んで打撃が得意な人に、わざわざ距離をとっておけば相手は嬉々として得意な動きをするだろうし、投げが得意な人は接近してこようとする。それに対して一々相手がベストな状態に付き合っていては、身が持たないのだ。
組み手練習などで様々な困難を味わって、じゃあどうしたらその困難から逃げられるか、それを減らせるかと言うことを学んでいく。相手の得意を、万全な力をどう下げられるか、ということを大事にする。
飛び込んでくる人には出来るだけ密着していく(接近する過程で2,3手はちゃんと防御できた上で)、接近してくる人には打撃を交えてその万全さを低くする、そして立つ力を高めて投げられにくい、崩され難い身体を養う。頭を打たれて気を失うのと同様、固い床で投げられて頭を打ったりすれば叩かれるのと同様、またはそれ以上のダメージを負うことになるから、それを回避する練習としても、信用できる人同士の組み手では色々な状況を味わっておくことが大切。
posted by ゆりか at 16:19| Comment(0)
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道シリーズ11
道シリーズ11弾は「決めつけない」です。
これは気持ちの問題でもあるし、それが動きや身体に影響するから肉体の問題でもある。例えばある型の解釈を「こうだ」と決めつけてしまうと、その技の応用可能性は失われる。「以前こうやったらうまくいったから、きっとこうすればいい」と決めつけると、状況に応じる柔軟性が失われる。息を吐く時に打つ、と決めてしまうと、吸った時は打てなくなる。「この格好をしなければ戦えない」と決めつけると、別の格好をした時弱体化する。「若さこそ全て」と決めつけると、歳をとって希望を持てなくなる。「私は出来ない」と決めつけると、絶対できない。「これが正しい」と決めつけると、融通がきかなくなる。
人は心も肉体も常に変化する。人も自分も変化するのだから、関係性も常に変化する。あることについて決めつけてしまうと、変化に鈍感になり、突然思いがけないことに直面しなければならなくなる。
組み手の際、色々課題を持って取り組むのも大切だが「自分がこの技をかけよう」と決めつけると案外決まらない。自由な攻防の中で決められたことをするのは難しい。逐一状況は変化し、その都度そこでかかる技の可能性は変化するからだ。でも逆に「この技を使おうと思うまい」と決めつけると、また不自由なことになる(笑)
心も身体も柔軟に。自分も他人も武術も決めつけないこと。これも練精会の、空体道の根底に流れている思想の一つだと私は感じている。そこがすごく好き(^○^)
これは気持ちの問題でもあるし、それが動きや身体に影響するから肉体の問題でもある。例えばある型の解釈を「こうだ」と決めつけてしまうと、その技の応用可能性は失われる。「以前こうやったらうまくいったから、きっとこうすればいい」と決めつけると、状況に応じる柔軟性が失われる。息を吐く時に打つ、と決めてしまうと、吸った時は打てなくなる。「この格好をしなければ戦えない」と決めつけると、別の格好をした時弱体化する。「若さこそ全て」と決めつけると、歳をとって希望を持てなくなる。「私は出来ない」と決めつけると、絶対できない。「これが正しい」と決めつけると、融通がきかなくなる。
人は心も肉体も常に変化する。人も自分も変化するのだから、関係性も常に変化する。あることについて決めつけてしまうと、変化に鈍感になり、突然思いがけないことに直面しなければならなくなる。
組み手の際、色々課題を持って取り組むのも大切だが「自分がこの技をかけよう」と決めつけると案外決まらない。自由な攻防の中で決められたことをするのは難しい。逐一状況は変化し、その都度そこでかかる技の可能性は変化するからだ。でも逆に「この技を使おうと思うまい」と決めつけると、また不自由なことになる(笑)
心も身体も柔軟に。自分も他人も武術も決めつけないこと。これも練精会の、空体道の根底に流れている思想の一つだと私は感じている。そこがすごく好き(^○^)
posted by ゆりか at 15:30| Comment(0)
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2016年11月03日
道シリーズ10
道シリーズの第10弾は「歩法を身につける」です。
私が代表に出会ってすぐ、その動きの華麗さに目を奪われたのは、手法の変化もさることながら、歩法の変化だった。氷の上を滑るかのように、また変幻自在に蹴りや足払いへと変化する、6本も8本もあるかのように見える足。HPにも掲載している総合空法(自由舞)の動画を見たらその歩法の素晴らしさがわかります。
自由な歩法に至るまでに、前後歩、三才歩、回旋歩、換歩と4つの基本歩法を学びます。それをあとはひたすら繰り返し練習すること。空法にはその全てが含まれています。
多くの人が、緊張した時、驚いたとき、恐怖を感じた時、危険に遭遇した時、足がその場に居ついてしまう。これは致命的です。手がどんなに動いても、強大な圧力や力が加わってきたとき、手だけでは防ぎようがないこともある。だからこそ、真っ先に「移動できる身体」が大切で、そのために歩法が要る。
そして歩法はやりこんでいくほど全身で行えるようになり、そうすると「歩法」ではあるけど「足」から動くのではなく、中心から、または魚群が一気に方向を変えるよう全身で移動、転換できるようになる。
これは女性、小柄な人、高齢の人には特に必要です。そんなに大きな動きが出来なくてもいいから、数センチでもいいから、とっさの時に移動したり転換したりできること。とっさの時に移動するためには、普段から「ゆらゆら・ぬらぬら」と柔らかく、動けるよう身体を慣らしておく。一人練習で、対練で、組み手で、どんな場面でも居着かない足。ある程度進んでいくと、見た目には止まっているようでも内面が動く。また間合いやタイミングや強度の見切りが出来ると動きはよりシンプルで小さくなることも可。決まり切った動きだけでなく、自由に居着かず動き続ける足。総合空法はそれにつながっていきます。
今晩の八卦掌でも、歩法シリーズで蹴りと応用した練習などもやろうかなと今思い浮かべているところです。今日は換歩メインかな〜〜。
私が代表に出会ってすぐ、その動きの華麗さに目を奪われたのは、手法の変化もさることながら、歩法の変化だった。氷の上を滑るかのように、また変幻自在に蹴りや足払いへと変化する、6本も8本もあるかのように見える足。HPにも掲載している総合空法(自由舞)の動画を見たらその歩法の素晴らしさがわかります。
自由な歩法に至るまでに、前後歩、三才歩、回旋歩、換歩と4つの基本歩法を学びます。それをあとはひたすら繰り返し練習すること。空法にはその全てが含まれています。
多くの人が、緊張した時、驚いたとき、恐怖を感じた時、危険に遭遇した時、足がその場に居ついてしまう。これは致命的です。手がどんなに動いても、強大な圧力や力が加わってきたとき、手だけでは防ぎようがないこともある。だからこそ、真っ先に「移動できる身体」が大切で、そのために歩法が要る。
そして歩法はやりこんでいくほど全身で行えるようになり、そうすると「歩法」ではあるけど「足」から動くのではなく、中心から、または魚群が一気に方向を変えるよう全身で移動、転換できるようになる。
これは女性、小柄な人、高齢の人には特に必要です。そんなに大きな動きが出来なくてもいいから、数センチでもいいから、とっさの時に移動したり転換したりできること。とっさの時に移動するためには、普段から「ゆらゆら・ぬらぬら」と柔らかく、動けるよう身体を慣らしておく。一人練習で、対練で、組み手で、どんな場面でも居着かない足。ある程度進んでいくと、見た目には止まっているようでも内面が動く。また間合いやタイミングや強度の見切りが出来ると動きはよりシンプルで小さくなることも可。決まり切った動きだけでなく、自由に居着かず動き続ける足。総合空法はそれにつながっていきます。
今晩の八卦掌でも、歩法シリーズで蹴りと応用した練習などもやろうかなと今思い浮かべているところです。今日は換歩メインかな〜〜。
posted by ゆりか at 14:50| Comment(2)
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